高値の花 02
(社サイド)

オレは。社清春。
名人戦一次予選の為に棋院来たら、塔矢アキラの授かり婚のニュースで棋院中が大騒ぎになっとった。
オレらとっくに成人しとるんやし、今時授かり婚なんか珍しくもないやろ。
まあ、碁一筋で真面目な塔矢から想像出来きんのも無理ないけどな。
しかも相手は進藤やし…。
お堅いお偉いさんは信じられへんやろな……。
ちょっと、同情するわ。
流石に、進藤と仲良いらしい和谷達が知らんかったってのには驚いた。

(ホンマに気付かなかったんやな…)

オレの前では、隠さずけっこうイチャイチャしたで。
特に進藤がな。
塔矢も負けてへんかったけど。
イチャイチャも、どっちが愛してるかで、勝負みたいになってて、端で見てたらアホらしくてな。

(リア充爆発せんかっ!って何回思たことか)

3人で合宿せいへんか…って、けっこう誘われたし。
2人で合う口実が欲しかったんがミエミエやったわ。

そんなんやったから、オレは遅かれ早かれこうなると思っとった。





「よっ、進藤、えらいことになっとるな」
「そんなんだよ~もう大変~~」

とか、ゆうとるけど大変そうに見えへんのは気のせい……ちゃうやろな。

「今まで、気を付けとったのにどうしたんや」

「いや~~忙しすぎて会う暇がなくて、久し振りに会ったら塔矢もオレも抑えられなくてさ…。そういうことすっかり頭から抜けてた」

気まずそうに、そう話す進藤。
進藤はしゃーないとして、塔矢まで忘れるってどーゆーこっちゃ。
塔矢…進藤に押されてへんか。
てか、めっちゃ幸せそうやん、

「さよか……」

やっぱり…もういっぺん言わせたもらうわ。

リア充爆発せんかいっ!!


NEXT




Page Top