なんて叫びながら、ベッドにダイブするヒカル。
子供だな…。
もうすぐ20才になる男とは思えない。
「夢にまで見た1人暮し…。夢にまで見たセミダブルベッド!これでアキラとやりたい放題♪」
ドカッ!
そこにあった物を無意識に思いっきり、ヒカルに向かって投げていた。
何を言ってるんだっ!この男はっ!
「…/////」
何がやり放題だっ!
「イテ~~ッ…何すんだよ」
ヒカルが、何かが当たったオデコを押さえながら怒鳴ってくる。
「バカなこと言ってないで、さっさと片付けろ!君の部屋だろっ!」
「でもせっかく買ったベッドだしさ。片付けは後でも出来るじゃん」
「えっ?ちょ…待って…」
…って、あっさりベッドに押し倒されてしまった。
「は放せ~っ!まだ昼間だぞ」
…って、そういう問題じゃないだろっ!僕のバカッ!
♪~♪~♪
何とかしてヒカルから逃れようとしている所に、ヒカルの携帯が鳴った。
「誰だよ…こんな時に…って、あかり?」
……助かった…藤崎さんに感謝だね。
●〇●〇●〇 ●〇●〇●〇●〇
「なんで、来たんだよ」
ことに及ぼうとしてた所を邪魔されて不機嫌なヒカル。
「おばさんに頼まれて。ヒカルこの場所教えてないでしょ。様子見て来いって言われたの。はい、引っ越し祝い」
「…サンキュー」
藤崎さんから無愛想に受けとるヒカル。
わざわざ持ってきてくれたのに、その態度はないと思うぞ。
「あかり、ここの住所絶対、お袋にばらすなよ」
「解ってるわよ、ヒカルこそ塔矢さんと同棲状態だからって、順番間違えたりしないでよ」
同棲状態…。
ままあ僕の両親はヒカルとのお付き合い公認の上に、殆ど海外だからそうなるだろうけど……改めて言われると恥ずかしい。
「…………」
ヒカルを見ると、まだまだ不機嫌な感じだ。
(今晩は覚悟しておいた方がいいかな…)
途中でお預け食らった分放してくれなさそう。
それでなくても、1人暮らし初日というこで張り切ってるしね…。
数ヶ月後…。
藤崎さんの心配が現実になってしまう……。
「だから言ったのに…」
藤崎さんに溜め息混じりに言われてしまった。
「まあ塔矢さん、ヒカルに求められたら拒めないもんね~♪」
「……」
仰る通り何も反論出来ません…。
まさか、僕がそういうこと好きになるなんて…ヒカルわ好きになる前の僕が知ったら、卒倒するかもね、
碁が全てで男の人を好きになるなんて考えてもみなかったから、
ちなみに、ヒカルは藤崎さんに、あり得ないぐらい怒られていた。
ヒカルを好きだと言っていた藤崎さん。
僕との関係も最初から良い訳はなくて色々あったけど、今は棋士の僕も応援してくれる大事な友達だ。
(藤崎さんも早く幸せになれると良いな……)
そして、知った衝撃の真実。
驚いたことに、僕との付き合ってることを、ヒカルは両親に話してないらしい。
どういうことだ?それは…。