女王様を手に入れろ! 95
(恵サイド)

「あ~~~私はどうして、ここにいるのよ!」

明美ちゃん…中学受験の時も、そのセリフ聞いたよ。

「落ち着いて明美ちゃん。受験が終わったら思う存分打てるから。あっ、進藤先生が好きなもの夕飯に作ってくれるって言ってたじゃない。だから頑張ろう」

私も中学受験の時に、同じこと言ったっけ。
ギリギリまで加賀君にスパルタで勉強せられていた明美ちゃんは、中学受験の時と同じようにパニックになってる。

「いいから落ち着けっ!」

加賀君が明美ちゃんに怒鳴ってる。
中学受験の時と違うのは、加賀君と三谷君が一緒なこと。
心強いよね…。

「試験だと思うからハニックになるんだろ。答案用紙を負けたくないオレだと思って受ければ良いだろ」
「加賀…」
「そしたらお前は受かって、オレは光明先輩達と打てるからな!」

そう言って、ドヤ顔する加賀君、

「……っっっ!!一瞬でもアンタを優しい奴だと思った私がバカだったわっ!」

加賀君、明美ちゃんが受かったら、勉強を光明君と塔矢先生に打って貰えることになってるもんね。
だから教えるのにも、凄く力入ってたんだ。

「おっ、いつもの進藤に戻ったな。そんなに怒鳴って詰め込んだ数式が、頭から飛んでなきゃ良いけどな」
「~~~っっっ!!加賀っっっ!!」

加賀君の物言いに切れた明美ちゃんは、加賀君とと言い争いを始めてしまった。

「なにやってんだよ…アイツ等…恥ずかしい」

呆れてる三谷君。

「でも、いつもの明美ちゃんに戻ったみたいで良かった…。中学受験の時はずっとパニック状態だったから」

有り難う加賀君だよ。
解りにくいけど加賀君は、明美ちゃんに優しいよね。

「ところで、お前は大丈夫なのか?」
「うん!光明君におまじないして貰ったお陰か、今回は結構落ち着いてるんだ」

光明君にデートして貰えたし、ちょっとだけ恋人らしいこともあったし…キャー思い出すと照れちゃう。

「ヘイヘイ、ご馳走さま」

あっ、なにその気のない言葉。
よし、ちょっと意地悪しちゃおう。

「そういう三谷君だって、正美ちゃんから御守り貰ってたでしょ」
「どどどどうして、それを」
「見たもん、三谷君と正美ちゃんってお似合いだよね…」
「……/////」

タコのように真っ赤になる三谷君。
けっこう可愛いかも?





加賀君と三谷君がいたお陰で今回はリラックス出来て良かった。
試験も上手く出来た感じがするし、もしかしたら?…なんて思いながら、合格発表当日を迎ました。





●〇●〇●〇 ●〇●〇●〇●〇





「あつ、あった…」
「嘘?」
「まっ、当然だな」
「よしっ!」

上から私、明美ちゃん、加賀君、三谷君の合格を知った時の第一声。

(光明君の後輩になれたよっ!ヤッターーーッッッ!!!)

よく頑張ったよ!私。
でも、殆ど光明君のお掛けだけど。

「これで光明先輩達に打って貰える」

私の隣には、受かったことが信じられない明美ちゃんと、約束を達成して打って貰えると喜んでる加賀君がいる。

「進級出来そうにないから、すぐにでも辞めたい…」

なんて言ってる明美ちゃんだけど、加賀君の力を借りて、何とか卒業するだよね。
えっ、私?
私はもちろん光明君の力を目一杯借りて卒業することになるんです…。


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