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女王様を手に入れろ! 88
(アキラサイド)

「粉の分量が違う!」
「だから、そんなに力いっぱい混ぜたるな!」
「それは塩!」

今日は光明の囲碁教室ではなく…料理教室開催中!
光明はの怒鳴り声が聞こえる。

ちなみに僕は、藤崎さん筒井さんに金子さん…そして、何故かお義母さんまで参加しての保護者会?女子会?…どっちだ?どっでもない?…の真っ最中だ。

(なんだか…自分が怒られてるような錯覚を起こしそう…)

僕はヒカルにあそこまで怒鳴れたことはないけど…。
料理以外ではヒカルに負けないのに、料理だけはいくら頑張っても勝てない…。
昔ほどは気にならなくなったけど……やっぱり悔しいかな。

「恵ったら、もう光明の誕生日過ぎてるのに、どうしても手作りのケーキをプレゼントするって…」
「毎年渡してるから、渡さないと落ち着かないんじゃない?」
「光明の誕生日辺り、忙しかったからね」
「でも渡す相手に教えて貰うのって、どうなんだろ?」

苦笑い気味にいう藤崎さんに、金子さんと筒井さんの言葉が続く。

「光明も楽しそうだから良いと思うよ」

怒ってるだけだに見えるかもしれないけど、母親の僕から見たら光明は楽しんでるし恵ちゃんを大事にしている。
ただ僕に似て素直じゃないというか…感情が出にくいというか…。

「海王の女子生徒達が、光明君のあんな所を見たら卒倒するだろうね…」
「筒井さん、女子生徒だけじゃなくて、母親も間違いなく卒倒するわよ」
「あっ、そうだね…」
「外見がヒカルで中身が塔矢さんなモテない訳ないよね。そんな光明君が恵の塩入りクッキーを食べてくれたなんて、今でも信じられないよ」

言えない…。
僕が似た感じのクッキー食べさせてからだなんて言えない。
塩入りクッキーがお袋の味なんて言えない…。

「絶対、言うなよ!塔矢アキラのイメージが崩れるから!お前には囲碁界の女王様でいないといけないんだからな!」

ヒカルから強く言われてる。

「アキラ先生のイメージは私が守ります!」

なんて、恵ちゃんにまで言われてしまった。
恵ちゃん光明に影響されてない?

「それにしても、私達の子供がプロなんてね…」
「恵がプロだなんて信じられない…。確定申告ってなに?まだ中学生だよ」
「解るわ~。私もヒカルがプロになった時、同じこと思ったもの」

お茶菓子取りに行っていたお義母さんが、戻って話に入ってきた。

「気付いたらヒカルがワイドショーなんかに取り上げられて、芸能人みたいになってビックリしたわ…」

あの頃は、お義母さん達の所にまで取材が行って大変だったらしい。
もう少し早くお父さん達と再会してたら良かったかも…と、お義母さんもお義父さんも笑ってたっけ。

「確か囲碁界のイケメン棋士とか…イケメンアイドル棋士、Jーニーズ棋士とか言われてたよね?」

イケメン…アイドル?なにそれ?

「しかもジリジリと正夫さんの年収に追い付いていくし…棋士ってこんなに稼げるの?変なことしてるんじゃない…って、不安になったこともあったわね…」
「ヒカル、モデルとかしてたからじゃないですか?」
「そうなのよね…」
「ヒカルが載った雑誌手に入れるの大変だったよ」
「解るよ…。予約しないと手に入らなかったからね」
「私も買ってたな…。痩せ我慢してたアイツ為に…。もちろん私も見てたけどね」

藤崎さんは解るけど、筒井さんや金子さんまで、ヒカルが載った雑誌を集めてたなんて意外だな。

「北斗杯の後からだよね…進藤君が人気になったの。会場で進藤君が打ってる姿を見た時感動したよ」
「えーっ、筒井さん会場行ったの?」
「うん」
「うわ~~~」

この後もヒカルに関する噂話は永遠と続いた。
僕の知らない葉瀬中時代の話しとか、何回聞いても楽しい。

「高校進学出来るのか就職出来るのか不安だったから、棋士になれて良かったわ」

お義母さんが1番、容赦がなかった。
感謝するのは僕の方かもね。

それにしても…皆よく喋るな…。
凄いよ…。
正直、ちょっと付いていけないかも…。





●〇●〇●〇 ●〇●〇●〇●〇





その日の夜。



「なんかオレ風邪気味かも?くしゃみが止まらなくてさ」

あ~~~アレだけ言いたい放題噂されてたらね…。

「ってことで、温めてv」
「えっ?…ちょ…」

何故、そうなる?
そして、気がついたら押し倒されていた。
…もうこの展開にも慣れたけどね…。
結局、そういうことがしたいだけなんだろっ!
…全く…もう…。


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