進藤家での勉強会に向かいながら、私達弟子3人は悩んでました。
「誰に打ってもらうか悩むな…」
「3人共、ヒカル先生とアキラ先生だと味気ない気もするし…」
「親父でも良いけどさ…将棋のタイトルホルダーだからさ…なんかな」
「光明くんは大騒ぎになりそうだからダメだし」
中学2年生なった私と加賀君と三谷君は、プロ試験を受ける為の準備始めたんだけど、棋院に出す碁を誰に打ってもらうかで悩んでる。
打ってもらえる人が沢山いるのも困るよね…って、贅沢な悩みかな。
「オレが院生になれてプロになれたのは、加賀と筒井さんと三谷のお陰だから、恩返しのつもりで打つな」
進藤家に着いてヒカル先生に話をしたらこう言われて、加賀君と三谷君は1つは決まった。
私は誰に打って打ってもらうかな。
やっぱりアキラ先生ヒカル先生にお願いしようかな。
「私も打とう」
「えっ!」
な~~んて考えてたら、突然の塔矢先生登場にビックリ。
打つって碁だよね。
もしかしてもしかしなくても、プロ試験の為の碁だよね。
「えーーっっっ!!」
塔矢先生の打とうの意味が解った時、3人で叫んだ上にハモっちゃった。
日本の囲碁界の重鎮に、いきなりそんなこと言われたらビックリするよ。
「行洋さん、ずっとあなた達のことが気になっていてね。邪魔したらいけないと我慢してたのだけど、とうとう耐えきれなくかなったみたい」
後ろ居た明子さんが教えてくれた。
あっ、おばさんとか言ったら怒られそうだなら、名前で呼んででます。
「それとね…恵ちゃんが気になるみたいなのよね…」
………もしかして……私が光明に相応しいか見極めるとか…。
「…………」
あっ、今、加賀君と三谷君をチラッと見た。
明美ちゃんや正美ちゃんの恋愛事情は、ヒカル先生にはバレてないけど塔矢先生は知ってるみたい。
明子さんから話が行くんだろうな…多分。
「これからは時々、研究会に参加したいのだが良いかね」
「もちろん!コイツ等にとっても勉強になりますし」
塔矢先生からの申し出を即OKするヒカル先生。
私達も断る理由なんてない。
よろしくお願いします!!
私達はヒカル先生、アキラ先生、行洋先生や塔矢門下の人達等、沢山打った中から悩んだ末に、自分が気に入った棋譜を棋院に提出した。
加賀君はヒカル先生と行洋先生。
三谷君がヒカル先生と岸本先生。
私は行洋先生とアキラ先生と打った棋譜を提出した。
もちろん書類審査は3人共通過。
さあ、プロ試験精一杯頑張るぞ!!