女王様を手に入れろ! 71
(洋明サイド)

ついにやってきました!!トリプルデート。

明子お祖母ちゃんに賄賂という名の小遣いを貰ったから、しっかり働かないとな!
全部写真に撮ってレポートしてたら凄い量になるから、重要だと思う所だけ報告する予定。





「光明君可愛いっ!」
「ホントだ!洋明お兄ちゃん写真撮っといて」

正美に言われなくてもそうするよ。

ネズミさんの耳付けてる兄貴なんて、絶好のシャッターチャンスじゃん。
恵姉ちゃんが買って、嫌がる兄貴な付けさせたんだ。
兄貴は外見親父にソックリだから、案外似合うんだよな。
笑えば可愛いのに…ムスッとしちゃって勿体ない。

「兄貴…笑って」
「…………」

やっぱり笑ってくれないか。



三谷さんは正美の面倒を良く見てくれている。
ネズミさんの耳も嫌だろうけど、ちゃんと付けてくれてるし。
ちなみに、正美と恵姉ちゃんはネズミちゃんの耳を付けていて、男は三谷さん以外写真撮ったら外してしまった。

「あっ、ネズミさんいる」
「おいっ!走ったら転ぶぞ」

慌てて正美を追いかける三谷さん。
兄妹みたいな感じで、実兄の立場がなくなりそうだ。

「洋明お兄ちゃん写真撮って!」

言われなくても撮りますよ…と。
正美と三谷が、ネズミさんを囲むような写真を撮った。

その後も正美は三谷さんと一緒にアトラクションを回ったり、食べたり飲んだり大騒ぎ。
あと、正美はキャラクターとの遭遇が多かった。
チケットといい…今といい…そんな強運でどうするんだよ。
将来が怖い。



おいっ!そこの無自覚カップル!
アトラクションの順番待ちの間にアプリで対局するな!
加賀さんも断れよ…今からそんなんでどうするだよ!
将来、姉貴の尻に敷かれるぞ!
姉貴の顔を見ると、加賀さんが有利な展開な感じ?

てかさ…。
せっかく正美が当ててくれたのに…タダで遊べるなんて滅多にないんだから、こんな時ぐらい碁を忘れませんか?
姉貴はこんなに囲碁バカではなかった筈なんだけど、加賀さんに出会ってなにかが変わったみたい。
オレは知っている。
姉貴が黄色いクマが好きなことを。

…せっかくだし碁を打ってないで、黄色いクマの所にでも行けば良いのに…とか思ってたら、加賀さんを引き連れて黄色いクマの所はしっかり行って、グッズも買い込んでた。
加賀さんも、お姉さんに頼まれたとかで、リストアップされたを元に沢山買っていた。



そして、付き合ってるけど付き合ってるように見えないカップルは、どうなってるかと言うと…。

兄貴の元クラスメートに遭遇して、ややこしいことになりかけてた。

「進藤君じゃない」
「ウソ~ッ!進藤君がこんな所来るなんて意外~」
「私達のこと覚えてる?去年まで同じクラスだったんだけど」

あっ、それ多分覚えてないわ。
兄貴、自分が興味のない人は認識すらしないから。

「進藤君、もし良かったら私達と回らない?」
「ていうか、この娘(こ)誰?」
「もしかして彼女?…ってまさかね?」
「だよね~~」

ケラケラ笑う元クラスメート達。
もしかしなくても、兄貴の彼女なんだけど。

「……………」

兄貴が元クラスメートな言い寄られてるのをまるのが辛くなったのか、恵姉ちゃんどこかに走って行ってしまった。
兄貴、早く追いかけた方が良いぞ。

「僕の彼女だけど…なにか問題でも」

あっ、兄貴、あっさりカミングアウト。
明日、学校は大騒ぎになるんじゃないの。

「えっ」
「ウソでしょ」
「勘違いしたアイツを探さないといけないので、これで失礼します」

そう言って、ちゃんを追いかけて兄貴は走っていく。
ここは、なにか起こりそうだから兄貴と恵ちゃんを追うことにする。


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