女王様を手に入れろ! 33
(恵サイド)

今更だけど、何度見ても凄い家だよね。
うちもお父さんが会社の社長だからタワーマンションに住んでるけど…うちとは、なんだかスケールが違う。

「いらっしゃい、恵ちゃん」
「お邪魔します」

ヒカル先生が出迎えてくれた。
エプロンしてる。

今日は、光明君の囲碁教室じゃなくて恵ちゃんに、泊まり来ない?…誘われてやって来ました。

「本当にヒカル先生が御飯作ってるんですね」

噂に聞いていたけと本当なんだ。

「明日、光明に作らせようか」

ななななにを言い出すんですか…ヒカル先生。

「い、いいでよ…悪いし」
「遠慮しなくて良いのに…」

ヒカル先生…そんな残念そうな顔しなくても良いじゃないですか。

「ただいま」

そこへ、アキラ先生が帰ってきた。
確か、地方のイベントに行ってたんだよね。

「恵ちゃん、いらっしゃい」
「お邪魔してます」

本当に、ヒカル先生もアキラ先生も忙しいそう。
そう言えば、あまりの忙しさに夫婦の時間が失くなると可愛そうだから、後援会絡みの仕事は最小限にしている…って言ってたっけ。

「進藤君がアキラ君欠乏症になったら、後が大変だからな」

なんてことも言ってたな。
アキラ君欠乏症って……。
ヒカル先生…アキラ先生のこと大好きだもんね。
アキラ先生もヒカル先生のこと大好きみたいだし。

料理苦手な奥さんになにも言わずに、自分が料理引き受ける旦那様なんて……。
憧れちゃうよね…。





夕御飯が出来る間に、明美ちゃんはクローゼットの中を見せてくれたんだけど…。

「す、凄い……」

明美ちゃんが見せてくれたクローゼットの中には、服が山のように入っていた。

「これ、どうしたの?」
「お祖母ちゃん達が、買いままくってるくるから」

そうなんだ…。
やっぱりスケールが違う。

「恵もこういうの着て、兄貴を誘惑しないと」

誘惑って……。

「恵もママと同じでお洒落しないんだから」

アキラ先生と同じ服装なら、このままの方が良いような気がします。






ヒカル先生やアキラ先生に碁を教えてもらって楽しい時間を過ごしてたんだけど、緒方さんが塔矢先生に会いに来て、明美ちゃんが飛んでもないことを言ったから、楽しい時間が一変したんだ。

あれは私もビックリした。
本当にお嫁さんになるきなのかな?

なにがあったかは、ヒカル先生が卒倒したということで…お察しください。





翌日。
朝起きてダイニングに行くと、光明君が朝御飯を作っていた。
もちろんエプロン姿で。
かかかか感激~~~。

しかも、御飯は美味しかった。

「私のお陰で良いもの見れたでしょ?」

そう言って、Vサインする明美ちゃん。
そんなこと言ってる場合じゃないと思うけど。
ヒカル先生大丈夫かな?
今回は立ち直るまで何日かかるのかな。
アキラ先生も大変だな。

「パパが拗ねると、何日も落ち込むから、ママが大変なんだ」

以前、私に教えてくれた恵ちゃんが、ヒカル先生を落ち込ませてどうするの。





一応、お父さんに報告書しておいた方が良いかな。


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