「だ~か~ら~っっっ!!!」
「…………」
今日は光明の囲碁教室の日。
光明の怒鳴り声が響いてる。
もう我が家の名物になりつつある。
あっ、眠っていた正美が起きた。
今にも泣き出しそう……。
「あ~よし、よし……」
普段、怒鳴ったりしない光明にビックリしたんだよね。
普段クールで感情表に出さない光明が、あんなに感情剥き出しにするなんて、僕も驚いてる。
ヒカルが光明と恵ちゃんのやり取りを見て、懐かしい…とかお前にそっくりだって言ってたけど、そういえば簿もヒカルに怒鳴ってたけ。
芦原さんや市河さんに、あのクールなアキラが怒鳴ったりするなんて…って、驚かれたっけ。
ヒカルの言う通り光明にとっては良い刺激になるかもね。
ヒカルの読み鋭い。
もしかして、僕を見ててくれてるから気付いたとか。
でも、もう少し優しくした方が良いとは思うんだよね。
恵ちゃんは、ヒカルみたいに打たれ強くないかもしれないし。
だから、恵ちゃんが帰った後、やんわり注意した。
「もう少し優しく教えてあげたら」
「解ってる…」
光明からは短いが返ってきただけだけど、優しい子だから解ってるはず。
黙って見守っていくことにしている。
●〇●〇●〇 ●〇●〇●〇●〇
ヒカルの居ない居ない時の僕の密かな楽しみ。
それは、ヒカルの女装写真を見ること。
「ホントに可愛いよね~vvvvv」
僕の癒しだよ。
あっ、もちろん今のヒカルも好きだよ。
光明も笑えばこれぐらい可愛いと思うんだけど、中身が僕に似てしまったせいなのか、どちらかというと今のヒカルに近いかな。
ホントに可愛いvvvvv
「なにか可愛いって?」
あっ、ま、不味い。
ヒカル、お風呂上がるの早過ぎ。
またカラスの行水だな。
それどころじゃない。
慌てて、ヒカルに見えないように隠したけど……。
「おいっ!なんでお前がそれ持ってんだ!」
間に合わず、ヒカルにアルバムを見られてしまった。
これは隠しても仕方ないね。
素直に白状しよう。
「結婚後祝いにお母様に貰ったんだ」
「今すぐ棄てろっ!今すぐ燃やせっ!」
本当にに嫌な思い出なんだね。
こんなに良く撮れてるし可愛いのに……。
「嫌だっ!これは僕の癒しだっ!」
そう、これば僕の宝物で癒し!
棄てるなんて嫌だ!
「そんな写真が癒しって、実在するオレは癒しじゃないのかよ」
「もちろんヒカルも癒しに決まってるじゃないか!でも、このアルバムも癒しなんだ!僕が知らない時代のヒカルだし、僕しか知らないヒカルがいるから宝物なんだよ」
実際には、両親や披露宴に出席した人達は知ってるけど、ヒカルのお義母様以外は少ししか見てないから、そう思ったら、優越感に満たされたり。
「アキラ、お前、可愛い過ぎvvvv」
「えっ?あっ、ちょっと……」
僕はヒカルに押し倒されました。
あ~これは、朝まで離して貰えないな……。
明日、対局があるんだけど寝かせて貰えるかな?
……いや、無理だろうな。
まあ、こうなった原因は僕にあるんだし、なるようになれだ。
でも……流石に5人目は、ご辞退申し上げたいんだけど……ダメかな?
ちなみにその後。
「そんなに言うなら持ってても良いけど、誰にも見れるなよ。もちろん子供達にも」
「解ってるよ。ちゃんと墓場まで持っていくから…」
「アキラ~~~vvvvvお前ってヤツは~~~」
「えっ?あっ、ちょっと……ま……」
僕の予想通り、殆ど寝られなかったけど、対局は僕の勝利。
こんな理由で負けるなんて、僕のプライドが許さないからね。