女王様を手に入れろ! 26
(アキラサイド)

「だ~か~ら~っっっ!!!」





「…………」

今日は光明の囲碁教室の日。
光明の怒鳴り声が響いてる。
もう我が家の名物になりつつある。

あっ、眠っていた正美が起きた。
今にも泣き出しそう……。

「あ~よし、よし……」

普段、怒鳴ったりしない光明にビックリしたんだよね。
普段クールで感情表に出さない光明が、あんなに感情剥き出しにするなんて、僕も驚いてる。

ヒカルが光明と恵ちゃんのやり取りを見て、懐かしい…とかお前にそっくりだって言ってたけど、そういえば簿もヒカルに怒鳴ってたけ。
芦原さんや市河さんに、あのクールなアキラが怒鳴ったりするなんて…って、驚かれたっけ。
ヒカルの言う通り光明にとっては良い刺激になるかもね。
ヒカルの読み鋭い。
もしかして、僕を見ててくれてるから気付いたとか。

でも、もう少し優しくした方が良いとは思うんだよね。
恵ちゃんは、ヒカルみたいに打たれ強くないかもしれないし。
だから、恵ちゃんが帰った後、やんわり注意した。

「もう少し優しく教えてあげたら」
「解ってる…」

光明からは短いが返ってきただけだけど、優しい子だから解ってるはず。
黙って見守っていくことにしている。






●〇●〇●〇 ●〇●〇●〇●〇






ヒカルの居ない居ない時の僕の密かな楽しみ。
それは、ヒカルの女装写真を見ること。

「ホントに可愛いよね~vvvvv」

僕の癒しだよ。
あっ、もちろん今のヒカルも好きだよ。
光明も笑えばこれぐらい可愛いと思うんだけど、中身が僕に似てしまったせいなのか、どちらかというと今のヒカルに近いかな。

ホントに可愛いvvvvv

「なにか可愛いって?」

あっ、ま、不味い。
ヒカル、お風呂上がるの早過ぎ。
またカラスの行水だな。
それどころじゃない。
慌てて、ヒカルに見えないように隠したけど……。

「おいっ!なんでお前がそれ持ってんだ!」

間に合わず、ヒカルにアルバムを見られてしまった。
これは隠しても仕方ないね。
素直に白状しよう。

「結婚後祝いにお母様に貰ったんだ」
「今すぐ棄てろっ!今すぐ燃やせっ!」

本当にに嫌な思い出なんだね。
こんなに良く撮れてるし可愛いのに……。

「嫌だっ!これは僕の癒しだっ!」

そう、これば僕の宝物で癒し!
棄てるなんて嫌だ!

「そんな写真が癒しって、実在するオレは癒しじゃないのかよ」
「もちろんヒカルも癒しに決まってるじゃないか!でも、このアルバムも癒しなんだ!僕が知らない時代のヒカルだし、僕しか知らないヒカルがいるから宝物なんだよ」

実際には、両親や披露宴に出席した人達は知ってるけど、ヒカルのお義母様以外は少ししか見てないから、そう思ったら、優越感に満たされたり。

「アキラ、お前、可愛い過ぎvvvv」
「えっ?あっ、ちょっと……」

僕はヒカルに押し倒されました。

あ~これは、朝まで離して貰えないな……。
明日、対局があるんだけど寝かせて貰えるかな?
……いや、無理だろうな。
まあ、こうなった原因は僕にあるんだし、なるようになれだ。





でも……流石に5人目は、ご辞退申し上げたいんだけど……ダメかな?




ちなみにその後。

「そんなに言うなら持ってても良いけど、誰にも見れるなよ。もちろん子供達にも」
「解ってるよ。ちゃんと墓場まで持っていくから…」
「アキラ~~~vvvvvお前ってヤツは~~~」
「えっ?あっ、ちょっと……ま……」





僕の予想通り、殆ど寝られなかったけど、対局は僕の勝利。
こんな理由で負けるなんて、僕のプライドが許さないからね。


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