「大丈夫か?アキラ……」
「今日は対局があってホッとしたよ……」
………確かにあれはオレでも引いた……。
「2週間後に結婚式ね!」
……っていう明子さんの発言で、突然とんでもなく忙しくなって……。
翌日、オレとアキラは結婚式の衣装選びに引っ張り出された。
こういう時の男が着る衣装は決まってるらしく、オレの衣装選びはあっという間に終わったけど、アキラはメチャクチャ時間がかかった。
あれでもないこれでもないって何着もドレス着せられて……。
「ヒカルさんは、どれが良いかしら?」
なんて聞かれたり……。
正直、どれも似合うから選べない、
アキラ…どのドレス着ても似合うんだもん。
オレはとんでもない美人を奥さんにするんだな……と、しみじみしてしまった。
ちなみに、明子さんが選ぶドレスはレースたっぷりの可愛い系のドレスばかりで、ついにアキラがキレて、シンプルなドレスを選んで、明子さんがへこんでた。
結婚式だし明子さんの希望を叶えてあげようと耐えたらしいけど、やっぱり無理だった…と聞いた時には、思わず笑ってしまった。
「あれは、今までお前とショッピングとか行けなかった反動だぞ…たぶん」
これからは、時々付き合ってあげたほうが良いぞ。
あんな暴走しないように。
「お母さんと服の趣味が合わないから疲れるんだよ…」
「それは解るけどな」
アキラはどちらかというとカジュアル系?で明子さんはザ・女の子みたいな服が好み。
オレが小さい頃、着せられた服を思い出せば解る……って、なにを思い出してるんだよ!
…黒歴史だ!忘れろ!オレ。
「だから、ヒカルが付き合ってあげれば良いよ。ヒカルお母さんの扱い上手いし」
そう来るなら、オレも頼む。
「じゃあ、お袋のことお前に頼む」
「えっ?」
「お袋は、お前みたいな女の子欲しかったわ~って、いつも言ってるしな」
「そ、そうだね…」
明子さんはオレを、お袋のはアキラをとっても可愛がってるし、父親同士もも仲が良い。
オレ達の親には親同士の揉め事とか起こらないだろうし、テレビて見かける嫁姑問題も起こらない筈だ。
寧ろオレが何かやらかしたら、お袋は間違いなくアキラの見方をすると思う。
……気を付けよう。
●〇●〇●〇 ●〇●〇●〇●〇
棋院に行くと、アキラのお見合いの、その後が話題になっていた。
「えっ、塔矢さんのお見合い相手が進藤君の後援会会長に?」
「お見合いはは無くなったらしいぞ」
これで、オレ達が結婚宣言したらどうなる?
「こんにちは」
「進藤先生とアキラ先生…2人してどうしたんですか?」
職員がオレ達の対応に出てきたとこで…。
「オレ達、結婚することになったので、それを知らせに」
「えーっ!」
オレの一言で棋院全体が群れに揺れることになった。
それは…凄かった…。
格差婚だの……囲碁界の女王を嫁にするなんて勇気があるとか、塔矢先生が義父とかオレには無理。18で結婚するなんて早い!!
…等々色は意見が飛び交った。
ちょっと時間が戻って、オレとアキラの結婚が棋院中に広まる前。
「郵送してる時間が勿体ないから、プロのお友達にはヒカルさんから渡してね」
明子さんに、結婚式の招待状入ったが紙袋を渡されたんだけど…昨日1日でこれ作ったんですか?
どんな方法使ったんだか。
恐るべし明子さん。
「進藤っ!」
「よっ、和谷、これ結婚式の招待状」
あっ、和谷が固まってる。
「結婚っっっ!!!」
「ああ」
「誰と?」
「アキラに決まってるじゃん」
和谷君……今更それを聞きますか……。
「塔矢のお見合い騒動で、お前ら別れるって噂になってたんだぜ。それなのに結婚なんて、お前ら一体どうなってんだよ。しかも塔矢のお見合い相手が、お前の後援会会長って?」
あ~やっぱり、そんな噂になってたのか。
どうなってると言われても…もう怒涛の展開過ぎて…オレもよく頑張ったよな…と、もう遠い過去のような気もしてたりする。
ホントにスポンサーの件は、オレもビックリ。
まさか、こんな展開になるなんてな。
そういえば、昨日電話がかかってきて、結婚のお祝いを言われたっけ。
「進藤君、2週間後の結婚式楽しみにしてるよ。」
披露宴でオレの後援会発足を正式に発表するそうだ。
その電話で聞いたんだけど、オレとアキラの結婚式と披露宴の会場は、藤ノ宮さんが経営するホテルで、明子さんにから頼まれて急遽会場を押さえたらしい。
「お母さんが脅したんだ…。藤ノ宮さんに謝らないと…」
アキラに話したら、ちょっと慌ててたけど…。
「大丈夫だと思う」
「どうして?」
「たぶん…あの人、明子さんと同じタイプだから」
「嘘?」
話してて、何となくそんな気がしただけど……。
披露宴会場も1番広い会場を押さえて、もう明子さんと打ち合わせしてるらしい。
何故か当事者なのに内容は詳しく教えてくれなかったけど、明子さんと同じようなテンションで、とっても楽しそうに話してくれた。
あのパワー×2…心強いけど、けっこう大変かもしれないぞ。
それから結婚式までの2週間、仕事をしながら準備に追われた。
その中でもオレが1番緊張したのが、アキラというか先生の後援会関係への挨拶。
よく思われてない自覚はあるからさ。
まあ、藤ノ宮さんが後ろにいるお陰で何も言われなかったけど。
それに驚くことに、アキラが後援会関係者に毒を吐いていた。
それはもう…営業スマイルで、あくまでソフトに…でも確実に息の根を止めるような感じで…怖かった。
それにしても、スポンサーや後援会は大事とか言ってたヤツは何処に行ったんだ?
それだけオレを好きなんだな~~と思って嬉しかったけどな。
まあ、お見合いのストレスもあったんだろうな。
最近、アキラがホントに優しい。
昔の塩対応が、ちょっと懐かしいかも。
でも、アキラを怒らすと塩対応どころじゃなくなるかもしれないと、今回のことで思ったから、本気で気を付けよう。
アキラもあんまり乗り気じゃなかったし、披露宴の内容は明子さんに任せてたんだけど……まさかあんな結婚式になるとは思わなかった……。