「…………っっっ!!!」
塔矢が中々来ないから心配になって探しに来たら、女流の人達に絡まれてて……五段ぐらい階段を踏み外すのが見えた。
暗いのに、塔矢が落ちるのを見つけられたと思うよ…ホントに…。
「塔矢っっっ!!!」
そんて、よくぞ間に合って塔矢を庇うことが出来たと思う。
自分を誉めてやりたい。
けど……その後が不味かった、
塔矢の体重をもろに受けた形で地面に激突!
その衝撃で気を失ってしまったんだ。
気を失う直前に塔矢の叫び声が聞こえたな……。
「進藤っっっ!!!」
あ~~そんなに叫ばなくても大丈夫だから……。
「しっかりしろっっっ!!!」
そして、目を覚ますと病院のベットの上だった。
「進藤、気が付いたのか?」
心配そうな塔矢の顔。
(あ~~やっぱりキレイで可愛いな♪)
なんて、可愛い塔矢を見れて惚気て喜んでたオレだけど……足を骨折してましたとさ。
最近、運動不足だったからな…。
えっ?そんな問題でもない?
「塔矢を護って足骨折なんて、やるじゃない」
見舞いに来てくれた奈瀬が、オレの顔を見るなり言った。
それは、誉めてるのか?からかってるのか?
「あっ、そうそう…塔矢に絡んだ女流逹は謹慎処分になったわよ」
ふ~~~ん……あんまり興味ないな、
「アンタもけっこうモテるのに、塔矢に一途だもんね~」
そう言って、奈瀬は笑う。
「ほっとけっ!」
「でも、アンタが気絶してる時の塔矢、本当に心配そうだったのよ」
奈瀬によると、オレが気絶した後、ずっとオレの名前を呼び続けていたらしい。
それは、もう必死に呼んでいたらしい。
気絶したオレを見て、女流の1人が助けを呼びに行ったらしい。
まさか、こんなことになるとは思ってなかったんだろうけど、怖くなるくらいならやるなよな。
「もしかしたら脈ありかもそれないわよ…あれは。気を抜かずに頑張りなさい」
「オレが振られた時、和谷逹と一緒になってボロクソ言ってたのは誰だよ…」
「……あ、あ、あれは…あれ。これは、これよ……」
……たく…好き勝手言ってくれるぜ…。
まあ、オレは何があっても諦めないけどな!
数日後、足以外は問題ないということで、塔矢に付き添われて塔矢の家に戻ることになった。
後で判ったことだけど、お袋が病院に来て手術と入院の手続きだけして帰ったらしい……。
●〇●〇●〇 ●〇●〇●〇●〇
「…………ッッツ!!」
塔矢邸に着くと何故か工事をやっていて、塔矢と2人でフリーズした。
何してるんだ?これ……。
「お母さん……何なんですか?これは!!」
と、塔矢……叫びたい気持ちは解る!オレも叫びたい!
でも、オレを支えてるのを忘れないでくれ!倒れる!
「あっ、ゴメン…」
……危なかった……。
「何って、改築よ。進藤さんの住居スペースとヒカルさんとアキラさんが結婚後に住む部屋を作ってるのよ」
「はああああ~~~」
思わず塔矢とハモってしまうぐらいビックリした。
オレと塔矢の結婚後の部屋???
………明子さん……めちゃくちゃ楽しそう……。
それに比べて、塔矢の顔がドンドン険しくなっていく……。
あ~~~~明子さん……。
なんてことをしてくれたんだよっっっ!!!
怪我してから、けっこう良い感じだったのに………元に戻ったらどうしてくれるんだ?
「ヒカルさん、アキラさんを庇って怪我したんですって」
アキラさん、責任とってヒカルさんのお世話するのよ。
……なんて、言ってくれる。
この機嫌の悪くなっただろう塔矢を、どうしたら良いんですか?明子さん……。
「あのさ……塔矢、オレの世話なんかしなくて良いからな。杖もあるんから1人で何とかなるし」
オレはさっきから一言も喋らなくて、機嫌が悪そうな塔矢に思い切って言ってみた。
そしたら、予想外の言葉が返ってきてビックリ。
「いや…元はといえば僕のせいだから、何かあったら言ってくれ」
「えっ?」
ホントに良いの?
そんなこと言ったら、オレお前に甘えちゃうよ。
こんなチャンス逃したくないもん。