女王様を手に入れろ! 08
(ヒカルサイド)

「げっ、緒方先生っ!」
「げっ!じゃない!進藤、アキラ君、どういうことか説明しろ!」

うわ~緒方さんの、こんな怒った顔初めてかも?

佐為と打たせろっ!

……って、迫られた時とどっちが迫力あるかな……。



……なんて、言ってる場合じゃなかったっ!

「なんで、緒方先生がここにいるんだよ!ちゃんと鍵掛けたのか?」
「掛けたよ!でも、緒方さんは合鍵持ってるから…」
あ~~~。
「僕も君とあんな状態だったのか説明して欲しいんだけど…」
「ああ、あれね……」
「何をブツブツ言ってる…説明しろ!」

説明と言われましても……。
まず、これは塔矢はもちろん緒方先生にも内緒だけど、塔矢とオレが添い寝してたのはですね…。
昨日、塔矢が珍しく検討中に寝落ちしちゃって、何度起こしても起きなかったから部屋まで運んで寝かしたら……寝顔が目に飛び込んで来て……。
可愛いな~と思って……。

…………………
………………
……………
…………
………
……

…思わずキスしちゃった。

そんで、可愛いな~~って寝顔眺めてるうちに寝ちまって、しかも寝てる間に塔矢に抱きついてしまったみたい。
抱きついたのは願望かもしれない……。

それは置いといて、2人でいる説明だな。





「オレの家が前回したのは知ってるでしょ」
「ああ…」
「それで、オレの両親と塔矢の両親が親友同士で、家の立て替えが終わるまで同居させてもらってるんです」
「進藤の両親と先生達が親友?」
「僕達も最近知って驚いてます」
塔矢が口を挟む。

「……ともかく進藤、ちょっと来い」

……多分、塔矢に出すな…って話しかな?
顔に書いてあるもんな…。







「アキラ君には手を出すなよ」

ほら、きた。

「それは無理かな~~」

もう出しちゃったし。
キス止まりだけど。

「何!?」
「明子さん公認だし」





「何を考えてるんだ!あの人はっっっ!!!」

緒方先生…五月蝿い。
塔矢に聞こえるよ。





一緒に暮らしはじめて、オレに下着見られて赤面するあたふたする所や、料理が出来なくてすがるように助けを求めたり、寝顔の可愛い塔矢を見てて、益々好きになったから諦めて堪るか。
明子さんも応援してくれてるし、塔矢をGetする為にが頑張るんだ!!





ちなみに、オレ達が同居してるということが、緒方先生→芦原先生→冴木さん→和谷…と伝言ケームになって、あっという間に棋院に広がった。





「緒方さんっっっ!!!芦原さんっっっ!!!」

塔矢はカンカンに怒って、暫く緒方先や芦原先生と口を聞かなかったそうだ。

塔矢を怒らせるから、そうなるんだよ。
先生達は知ってるはずだよな。


オレ、知らな~~い……。


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