「げっ、緒方先生っ!」
「げっ!じゃない!進藤、アキラ君、どういうことか説明しろ!」
うわ~緒方さんの、こんな怒った顔初めてかも?
佐為と打たせろっ!
……って、迫られた時とどっちが迫力あるかな……。
……なんて、言ってる場合じゃなかったっ!
「なんで、緒方先生がここにいるんだよ!ちゃんと鍵掛けたのか?」
「掛けたよ!でも、緒方さんは合鍵持ってるから…」
あ~~~。
「僕も君とあんな状態だったのか説明して欲しいんだけど…」
「ああ、あれね……」
「何をブツブツ言ってる…説明しろ!」
説明と言われましても……。
まず、これは塔矢はもちろん緒方先生にも内緒だけど、塔矢とオレが添い寝してたのはですね…。
昨日、塔矢が珍しく検討中に寝落ちしちゃって、何度起こしても起きなかったから部屋まで運んで寝かしたら……寝顔が目に飛び込んで来て……。
可愛いな~と思って……。
…………………
………………
……………
…………
………
……
…思わずキスしちゃった。
そんで、可愛いな~~って寝顔眺めてるうちに寝ちまって、しかも寝てる間に塔矢に抱きついてしまったみたい。
抱きついたのは願望かもしれない……。
それは置いといて、2人でいる説明だな。
「オレの家が前回したのは知ってるでしょ」
「ああ…」
「それで、オレの両親と塔矢の両親が親友同士で、家の立て替えが終わるまで同居させてもらってるんです」
「進藤の両親と先生達が親友?」
「僕達も最近知って驚いてます」
塔矢が口を挟む。
「……ともかく進藤、ちょっと来い」
……多分、塔矢に出すな…って話しかな?
顔に書いてあるもんな…。
「アキラ君には手を出すなよ」
ほら、きた。
「それは無理かな~~」
もう出しちゃったし。
キス止まりだけど。
「何!?」
「明子さん公認だし」
「何を考えてるんだ!あの人はっっっ!!!」
緒方先生…五月蝿い。
塔矢に聞こえるよ。
一緒に暮らしはじめて、オレに下着見られて赤面するあたふたする所や、料理が出来なくてすがるように助けを求めたり、寝顔の可愛い塔矢を見てて、益々好きになったから諦めて堪るか。
明子さんも応援してくれてるし、塔矢をGetする為にが頑張るんだ!!
ちなみに、オレ達が同居してるということが、緒方先生→芦原先生→冴木さん→和谷…と伝言ケームになって、あっという間に棋院に広がった。
「緒方さんっっっ!!!芦原さんっっっ!!!」
塔矢はカンカンに怒って、暫く緒方先や芦原先生と口を聞かなかったそうだ。
塔矢を怒らせるから、そうなるんだよ。
先生達は知ってるはずだよな。
オレ、知らな~~い……。