悔しいけど…
進藤の料理はとても美味しくて……
あれ以来、料理は完全に進藤になった。
「塔矢、何食べたい?」
……って、笑顔で聞いてくるから、難しそうなのを選んでリクエストしてるのだけと、進藤はあっさりクリアしてくる。
…やっぱひ悔しい!!
次はもっと難しい料理をリクエストしてやる!!
さすがに、片付けまで全部任せるのは癪に障るから、片付けは手伝っている。
教えて貰いながらだけど…。
やっぱり悔しい!!
掃除は進藤らしく(?)ガサツだから、僕がやっている。
食器洗いは丁寧なのに、掃除はガサツというのは…何だか矛盾してないか?
おば様、掃除までは叩き込めてない?
洗濯は当然別だ。
この間、不覚にも進藤に僕のパンツを見られてしまった挙げ句…
「……色気ねぇーの」
…と、言われた。
ほっといてくれ!
男社会の棋士の世界に色気なんてなくていい!!
寧ろ邪魔!
あと、お風呂を覗かれてしまったこともあったな…。
進藤が確認もせずにお風呂の戸を開けるからだ。
勿論、思い切り水をかけてやったが。
進藤と一緒に住みを初めて色々大変だけど、唯一良かったと思うことは、時間を合わせなくても打てる事。
しかも、帰る時間を気にせず打てる。
明日はお互いオフだから、今日は徹夜覚悟でとことん打って検討だ。
あっ、玄関の鍵かけたっけ?
寝る前に確認しないと。
ちなみに、母さん達の同窓会旅行は延長になったそう…。
電話口で楽しそうだった母さん…。
色々、言いたいこともあるけど面倒になってくる。
もう好きにしてください……。
●〇●〇●〇 ●〇●〇●〇●〇
「しししし…進藤ッッッ!!」
「……………ッッッ!!!」
「何故、お前がアキラ君と寝ている:」
緒方さんの怒鳴り声で目が覚めて、飛び起きた僕と進藤。
進藤と2人で寝てる理由?
それは、僕が聞きたい!
どういうことだ進藤?
昨日、僕と君は何局か打った後、検討していた筈だ。
それが、何故、布団で寝ている?
しかも君とふ、2人で。
どうゆうことか、説明しろ!進藤!