進藤家の秘密 06
(彩(さい)サイド)

1000年も幽霊やった後、せっかく生まれ変わったのだから、進藤彩としての人生を謳歌しています。
もちろん碁が1番楽しいですよ。
今もクラスの男子と打ってる碁もそろそろ終盤です。

「やっぱり強いな…。流石は進藤ヒカルと塔矢アキラの娘だぜ」
「そんなことないですよ、秀次君も強いですよ」
「煽ててもなにも、なにも出ないぞ」
「本当ですってば」

彼は本田秀次。
彼のお祖父様が秀策が好き過ぎて、孫に虎次郎と秀策の名前から一字ずつとって名付けられたそうで、なんだか嬉しくて気がついたら仲良くなってたんです。
碁も将来が楽しみな棋力で、さりげなく指導碁打ったりしてるんです。

「じゃあ、また明日学校で」
「じゃあね」





「楽しそうだったね」
「ええ、将来有望ですよ。もしかしたら貴方達を脅かす存在になるかもしれませんよ」
「それは楽しみだね…」

ええ…。
ヒカルとアキラの娘だから強いと思われてるところを上手く利用して、これからも指導碁打ちますよ。

「ヒカルは私が秀次と打つことを嫌がってるみたいですけどね」

ヒカルが家にいる時に、秀次が来るとあからさまに嫌な顔をするんですよね。

「秀次君に君を取られると思ってるらしくて…」
「そんなことあるわけないのに…」
「君と離れるのが嫌なんだよね…」

私が結婚出来る年齢になるまで、あと何年あると思ってるんですか。
それに碁が1番ですから、私のお眼鏡に叶う人じゃない限り嫁にはいきませんよ。
ヒカルとアキラのことも心配ですから、2人の傍を離れるつもりはありませんよ。

「お母さん曰く、娘を持つ父親はあんな感じらしいけど」
「そうなんですか?私、親になる前に前世終わったんで解りませんけど…」
「僕も、彩の年の頃は男友達なんていなかったから…。ヒカルを連れていった時も、お父さんは普段通りだったよ」

父親って面倒ですね…。
まあ、ヒカルの場合、私があんな消え方をしてしまった為に、私が離れることにトラウマになってるみたいなんで、輪がかかってるのかもしれませんけど。





そろそろ涙涙のヒカルとの再会や、アキラへのドッキリ(…まではいかないかもしれませんが)を話さないといけないと思いながら…どう話そうか迷いますねぇ…。


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