進藤家の秘密 03
(彩(さい)サイド)

は~~~~~あ…。

元旦だというのに我が家に漂うこの重い空気はなんでしょうね…まったく…。

あっ、失礼しました。
皆様、明けましておめでとうございます!
今年もヒカルと塔矢が何かとご迷惑をおかけすると思いますが、見捨てないでやってください。



…と、挨拶してる今も我が両親は絶賛喧嘩中でして…。

こと始まりはクリスマスイブでした…。
その日はヒカルが塔矢の誕生日を兼ねて2人で過ごすと、レストランとホテルを予約していて、塔矢も了承して予定を開けていたんですよ。
ちなみに、私も今度こそ弟が出来るかな…なんて期待しながら、緒方の所にでも行こうと思ってたんですけどねぇ…。
えっ、弟と決めつけていいのか…って?
良いのです。私の兄弟として生まれて来るのは、虎次郎の生まれ変りですから。
話を戻しまして、ヒカルも塔矢もその気だったのに、当然塔矢に仕事か入ってしまったんです。
何でも元々参加予定だった女流棋士が体調不良で参加不可能になったために、塔矢にお鉢が回ってきたらしく、塔矢も最初は断ってたんですけど断りきれずに、しかも急だった上にヒカルが地方の仕事に出掛けていて了承を取れないまま決まったものだから…ヒカルが大激怒して…。

「お前はオレと2人で過ごそうとすると、予定入れるよな?オレと2人きりになるのが嫌なのか?」
「そんな訳ないだろ!!」

詳しくは思い出すのも虚しいので省きまますけど、売り言葉で買い言葉で喧嘩になり…。
現在、塔矢は実家に帰郷中なんですよ。

まったく…もう…本当に…ヒカルと塔矢はすぐカッとなって肝心な所で、スレ違いますよね…。
そもそも塔矢がワーカーホリックだということは、ヒカルも知ってるはずだから理解してあげれは良いのに、塔矢もヒカルと一緒に過ごせることが嬉しいと素直に言えば良いのに…。
ホント…いつまでに経っても手のかかる2人ですね…。



新年早々こんな状態なのですから、私の目私の前で不機嫌な顔して雑煮を頬張るヒカルを見て、愚痴を零すことを許されると思いますよ。

「さあ、ヒカル。お雑煮食べたら塔矢を迎えに行きますよ。行洋と明子さんにも挨拶したいですし」
「…………ッッッ!!」

その嫌そうな顔はなんですか!

「あなた達、打ち初め式でペアを組むんでしょ!それまでに仲直りしておかないと。ヒカル、そろそろ塔矢欠乏症でしょ?」
「うっ!」

図星ですね…。
まったく…。
ここまで、お膳立てしたんですからお年玉弾んでほしいですよね…。

仲直りして弟が生まれたかどうかは、皆様のご想像にお任せします。


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