ONE MORE TIME 11
(アキラサイド)

「進藤本因坊、新棋戦は早碁ですが抱負をお願いします」

進藤は今、ホームページや広報誌に掲載する為のインタビューを受けている。
インタビューしてるのは何故か有坂さん。
進藤のプライベートの部分まで詳しくインタビューしてたから、相当準備したんだろうな。

「早碁は得意ですしファンの皆さんに楽しんでもらえるように頑張りたいですね」
「トーナメント表を見てどう思いますか?」
「今回は高段者低段者関係なしでくじ引きで対戦相手決めたので、そこがどうなるかですね。僕と緒方十段も1回戦で当たりますし」
「では、最後にその大福を持った所を写真撮らさてください」

何枚も写真を撮られてる姿は、囲碁棋士には見えないよね。

僕も進藤担当のスタッフとして、写真が撮れてるかとか色々確認するために現場にいるんだけど…。

隙をみて、僕に笑顔を向けてくるのは止めてくれ。

(誰かに気付かれて勘ぐられたらどうするんだ)

僕が棋士を止める前に、進藤は本因坊を奪取したんだけど、その頃のインタビューが見てられなくて…。
その頃に比べたらタイトルホルダーらしくインタビュー受けれるようになったな…って思ってたのに…。

全く……。





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今日も退社して自宅に向かって歩いていたら…途中に進藤がいた。
頻繁に来てるから、もう文句をいう気力もなくなったよ。
言っても無駄だしね。
でも、今日は流石に不味いんじゃないか?

「こんな所でボーッと立ってる暇があったら、早く帰ったら?明日イベント出演だろ」
「オレのスケジュール把握してるのな。愛の力?」

ニヤニヤしながら僕を見てる進藤。

ムカつく~~~。

進藤の言い分がちょっと当たってるのが腹が立つ。
と言っても、僕の今の仕事に必要だから把握してるだけ…じゃ…実はないけど…。

(進藤の勝敗チェックしてるなんて、絶対内緒だ)

「冗談だって!睨むなよ。明日のイベントは緒方さんに代わってもらったんだ。お前とデートするって言ったら、あったり代わってくれたんだよな♪」

緒方さん、あの人は何を考えてるんだ?
進藤の人気は物凄いのに、緒方さんが代わって大丈夫なんだろうか?
緒方さんの人気あるけど…。
進藤が出ると出ないとでは来場者の数が違うし、トークショーや無料の教室は毎回抽選になってるらしい。

(イベント担当の人泣いてるだろうな)

今の仕事に就いてから、どうやったらお客さんに買っもらえるかとか、色々考えないといけないなくなったから、少し気持ちが解るようになったのかも?

「でも緒方さんに貸しを作ると、後が怖いんだよな」
「それならさっさと帰って、明日のイベントに出たら?」
「何言ってんだよ。お前と一緒にいるに決まってるだろ」

…………。

明日まで僕の家に入り浸るんだな。



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