道標 01
(アキラサイド)

「ここは…?」
気が付くと僕は知らない場所にいた。



「塔矢!」
「えっ?」

呼ばれて振り向くと、平安時代の貴族の恰好をした(教科書かなんかで見たことがある)知らない人が立っていた。

「どうして貴方は私と同じようなことをするのですか!碁に行き詰ってたのは解りますよ!ここから見てましたから!ヒカルの才能に嫉妬したり、置いて行かれそうになる恐怖を感じているのは解ります!私もそうでしたから!…でも…でもね…」
「………」

初対面の人は僕を押し倒しそうな迫力で捲し立ている。
…もしかして、この人は怒ってるのか?
「貴方はヒカルと共に神の一手を極めてもらわないといけないというのに!あ~~こんな早くここに来てしまうなんて…予想外ですよ!」

どうしましょ…どーしましょ…と、さっきまで怒った感じだった人が、今度は慌てている。
何か…凄く…テンション高い人だな…。
…あれ、ちょっと待て、さっきこの人が言ってたヒカルって…まさか…まさか…。
この人と進藤が知り合いだとは思えないし、着てる服からして時代が違うし。
でも僕と共に神の一手を極めるのは進藤な訳で…。
僕は、思い切って聞いてみた。

「あの…ヒカルって、もしかして進藤ヒカルのこてですか?」
「ええ、そうですよ」
笑顔で答えてくれた。

「進藤と貴方はどんな関係なんですか?」

接点があるようには見えないんですが。
「私とヒカルの関係ですか?…そうですねぇ…ヒカルは貴方にまだ話してなようですけど、ここで会ったのも何かの縁、ヒカルに怒られるかもしれませんが話しましょう」
「私は平安時代の碁打ちで幽霊になって1000年現世彷徨い本因坊秀策として碁を打ち、ヒカルにとり憑いた藤原佐為で~す♪」
………
……

えっ……??

NEXT




Page Top