METAMORPHOS 06
(アキラサイド)

「はあ~~」

夕食を作りながら、ヒカルと藤崎さんのことが気になって、思わず溜め息が漏れてしまう。

ヒカルと藤崎さん…どんな話をしてるんだろう?

ヒカルも幼馴染みの藤崎さんに説得されたら、プロになるのを諦めるかも。

大丈夫だとは思うけど不安だ。

僕の知らないヒカルを知る藤崎さんが、ちょっと…いや…かなり苦手。

ヒカルと藤崎さんお似合いだと思うし。

はあ~~~。






「お袋…あかりに教えるなんて、どういうつもりなんだよ!全く…」

あっ、ヒカルが帰ってきた。

「飯、出来た?」
「ふざけるな~~っ!」

不安な気持ちでいた所に、ヒカルが呑気にそんなことを言うから、思わず怒鳴ってしまった。

「な、なんだよ…」

僕の勢いに後ずさるヒカル。

「僕がどんなに不安だったと思ってるんだ。藤崎さんに説得されて諦めるんじゃないかって」
「なに言ってんだよ、あかりに説得されて止めるぐらいなら、最初から女として生活なんてしてないから」

解ってる…解ってるけど…やっぱり心配なんだよ…。
僕の気持ちも解って欲しい。

「あ~~泣くなよ」
「……泣いてないっ」

実際は感情が高ぶり過ぎて、気がつかないうちに涙が溢れてたみたい。

「それにさ、オレ、お前と以外と結婚する気ないから」

えっ?
……いきなり、なにを言うんだ。

「…/////」

予想外の手を食らって、形成不利になったような感じだよ。

「それにさ。アキラの料理に胃袋が捕まったから、他の手料理なんか考えられないし」

更に予想外の手を打たれてら形成不利になった気分。

「しかも掃除も洗濯上手くて美人だもんな…。アキラの以上の女はいないよ」
「……/////」

…もう投了…ノックアウト…。

あ~~照れるセリフをサラッと言うなんて。

ヒカルは時々こういうセリフを、サラッと言うんだよね。

そこまで言われたら、面倒見るしかない気がするんだよね。

でも…。

「家事はヒカルにも覚えて貰うらな」
「えーーーっ!」
「えーーーじゃない!覚えないと僕がいない時どうするんだ」
「……えーーーっ!面倒くさい」
「問答無用!」

将来の為にも、しっかり覚えてもらうからな。

NEXT




Page Top