オレだけ知る彼女の秘密
(ヒカルサイド)

オレの彼女は塔矢アキラ。

一般枠で入段して、あっという間に女流タイトルを全て奪取して、一般のタイトルもリーグ入りを果たしたり、奪取したりと目覚ましい活躍を活躍を見せる。
その上、誰も寄せ付けない…正に高嶺の花のようなキリッとした(一部には怖いと思われている)態度と、父親があの塔矢先生だということも手伝って、囲碁界どころかマスコミまでも女王様として取り上げていたりする。

実際、女王様なんだけどな…。

オレが不甲斐ない碁を打った時なんて…もう…眼も当てられない。
怒られるわ…。
怒鳴られるわ…。
閉め出されるわ…
…散々な目に遭う…。
逆らうことは許されない。
そのお陰で、オレの成績は絶調だけどな。

そんな女王様なアキラをを好きになって、何だかんだのちに恋人という関係になり、和谷やその他の人達に「女王様と付き合うなんて勇気あるな」とか「御愁傷様」とか、色々哀れみのような目を向けられたけど、好き合って付き合うんだから放っといてくれ!…って感じだ。

そんで、アキラと付き合い始めて解ったこと。
オレしか知らない彼女の秘密。


外ではブラックコーヒーとか飲んでたりするけど、実は甘いものが好きだったり、料理がメチャクチャ上手かったり。
更に疲れが溜まったりスランプになったりすると…あなたホントに、あの塔矢アキラさんですか?…っというぐらい、別人のように甘えてきたり。
これが、アキラと付き合うようになって1番ビックリしたこと。

実は飯を作ってる今も、背中に張り付かれてます。
ペッタリと…。
正直動き辛いんだけど、こうなったらアキラは満足するまで、何があっても離れてくれない。
アキラにとっては、これがリフレッシュ方法らしい。
こうなるのは、だいだいタイトル戦の後が多い。
だから、アキラのタイトル戦終了後の休みに合わせて、休みを取るようになった。
もちろん取れない時もある訳で、そんな時は休みが合うまでアキラに我慢させることになる訳だから、更に甘えぷりに拍車がかかるんだ。

塔矢先生の娘として、周りのイメージ通りに振る舞うのは大変なんだろうな…。
オレなんて、入段早々やらかしたし囲碁界に関係ないサラリーマン家庭だから、あまり気にしないけど。
甘えてくるアキラを見ながら、そんなことを思う。

ちなみに、こんな甘え坊のアキラを知るのはオレだけ。
それだけで、メチャクチャ優越感を感じて嬉しい。
オレを信頼してる…ってことだろうし。
こんなアキラはオレ以外には見せたくない。
アキラもそのつもりはないらしいけど、絶対オレ以外には見せるなよ!


END



ヒカルしか知らないアキラの姿があったりしたら楽しいですよね♪

Page Top