って、進藤に言われて「もしかして、これがデートのお誘いなのか?」と思いながら、まだ付き合ってはないものの、デートというものに興味があってOKしたことを市河さんに話したら…。
「良いじゃない!あっ、アキラ君水着は持ってるの?」
「うん。スクール水着で良いかな…って。あんまり使ってないし…」
ダンッ!!
「ダメよ!せっかく誘ってくれたんだから、ちゃんとした水着にしないとっ!」
スクール水着は良いと言った瞬間に、市河さんは両手を机に叩きつけて、僕に向かって叫んでいた。
「手が痛くないのかな…?」とか「スクール水着も、ちゃんとした水着だと思いますけど?」なんて思ったけれど、とても言える雰囲気じゃない。
(市河さん、テンション高いな…)
「このチャンスを逃す手はないわ。可愛くてセクシーな水着を着て、進藤君をハートをGetするのよ!」
市河さん…凄い迫力…。
「セクシーで可愛い水着なんて、僕には無理だよ…」
正直言うと、水着があまり好きではないし。
「なに言ってるの!アキラ君、進藤君のこと好きなんでしょ」
えっ?
いい市河さん…どどどうしてそれをっ!?
「…////…」
顔が熱い。
僕の顔は真っ赤になっていると思う。
「さあ、アキラ君。水着買いに行くわよ。私が選んであげるから」
「えっ?あっ、ちょっと待っ…」
僕は市河さんに引きずられて、水着を買いに行く羽目になってしまった。
(今日は棋譜並べでもしようと思ってたんだけどな……)
は~~あ。
市河さんにうっかり話してしまったことを、僕は心底後悔していた。
そして、市河さんが選んでくれた水着はビキニというやつで…可愛いとは思うけど…。
(僕にこれを着ろと?)
水着見て固まったのは言うまでもない。
どう頑張っても、ビキニだけで歩く勇気はなく…結局パーカーを羽織ってしまった。
(市河さんには悪いけど、無理なものは無理なんだ…)
僕の水着姿を見た進藤は、ずっと目が泳いで少し挙動不審で…。
(やっぱり水着が似合ってないのかな?)
と不安になった。
デートは楽しかったけどね。