「進藤が好き」
僕は進藤が好きだ。
告白する勇気がなくてライバルとしての関係を続けていたら、28の時進藤が突然結婚した。
(あの時はショックだったなぁ……)
進藤への片思いは吹っ切ることが出来ずに苦しかったけど、2人で打つことは出来たしライバル関係は続いたから、これで十分だと自分に言い聞かせてた。
そうしてたら1年前、進藤が突然離婚した。
進藤の離婚を知った時「もしかして告白して良いのかも?」と、ふと思って「でも今更だし」とか色々悩みに悩んで「進藤を追いかけてたあの時のパワーはどうした?」って自分を奮い立たせて、漸く告白したのがさっきのセリフ。
「…………………マジ?」
僕は全力で首を縦に振った。
「あ〜〜〜〜〜」
進藤が頭を抱えて唸ってる。
突然どうしたんだ?
「こんなことになら、さっさと告白すればよかった〜〜。オレだって、お前のこと好きだっただよ!」
…………………………………………えっ?
進藤、今、なんて言った?
進藤が僕を好き?
嘘?
「ふふふ…ふざけるなぁ〜〜〜っ!」
嬉しいのに何故か怒鳴ってしまった。
だって信じられなくて…。
「ふざけてない!オレはお前が好きだったのっ!」
「なら、どうして結婚したんた?」
「お前に告白する勇気がなかったんだよ。で、それをたまたま知り合ったアイツに話したら契約結婚しませんかって提案されたんだよ」
契約結婚…?
なんだ?それは。
「アイツは両親にお見合い攻めにあってて、それを止めるためにオレと契約で結婚したの!結婚したらお前のこと諦められると思って…。まあ無理だったけどな」
あまりのことに言葉が出ない。
契約は10年で夜の営みはなかった…。
そんなことまで話してくれた。
進藤も元奥さんもぶっ飛んでないか?
僕を諦めるために戸籍にバツをつけるなんて、僕には理解出来ない。
「塔矢、結婚しよう」
混乱してる僕を更に混乱させる進藤。
結婚?
いくらなんでも話が飛び過ぎだろ!
「あ〜〜〜そうじゃなくて……オレと付き合ってくださいっ!」
あたふたしてる進藤可愛いな。
こんな可愛い進藤、久し振りに見たかも。
僕の返事はもちろんYes。
思い切って、告白して良かったな。