(今思うと、あれは一目惚れだったんだよな…)
「打ちた~~い」ってごねる佐為の為に、たまたま入った碁会所で、正に運命の出会い。
(塔矢の笑顔にやられたんだよ…)
あの時は、それどころじゃなかったから気付かなかったけどさ。
佐為の言う通りに打ったら、追いかけ回されるし…余計なこと言って怒られるし…。
(あの時の塔矢、怖かったよ)
今は慣れたけど。
その後、自分がどれだけ打てるのか試したくなって打ってみたら…相手にされなくなった。
まあ、当然といえば当然なんだけど、塔矢が追いかけてたのはオレじゃなくて佐為だったと、改めて思い知らされてメチャクチャ悔しかった…。
更にその後、海王の大将に偶然会ったお陰で塔矢を追いかけることが出来て、プロになって佐為が消えたり色々あったけど、ライバルという地位を手に入れてホッとしたのもつかの間…。
オレは漸く自覚した
塔矢が好きだということを…。
気付いてから1年ちょっと、告白しようか悩み続けてる…。
「悩んでる暇あるんやったら、とっとと当たって砕けたらええやん」
ウダウダ悩んでたら、社に突っ込まれてしまった。
「簡単に言うなよ~」
砕けた後、立ち直る保証はありません。
「そうやってウダウダしてる間に、どっかの御曹司に取られてまうで」
あり得る…。
ヤバイ~~。
「う~~~」
「相手は塔矢アキラなんやからフラれて当たり前。清くフラれてこい」
「フラれるの前提かよ」
コイツは応援してくれてるのか、そうじゃないのかイマイチ解らない…。
あ~~そんなことより塔矢に告白するのか?
どうするよ?オレ。