オレとアキラは今日結婚式を挙げた。
そして、今ホテルにいるんだけど、アキラがいない。
何でだ?
まさか結婚が嫌だったとか…。
(そんな…まさかな…ハハハ・・・)
マジだったら笑えない…。
でも、アレ、気付かないうちにアキラを怒らせてる時あるからな…。
ありえなくもない…。
や、やべ~~~。
「ホント、どこ行ったんだよ!」
結婚初日からこれじゃあ、先が思いやられるな・・・。
「……ル」
「……カル」
なんだよ!オレはアキラを探すのに忙しいのに、誰だよ、俺を呼ぶのは…って…えっ?何で?
目の前に佐為がいた。
「…ヒカル」
えっ?
何で佐為がいんの?
「やっと会いにきてくれたんだだな…」
オレ、お前に話したいこと一杯あるんだぜ。
嬉し過ぎて、オレの頭フリーズしそうだ。
「ヒカル、ボーッとしてる場合ではありません!早くあの碁会所に行ってください!!」
「えっ?碁会所って…」
「ヒカルと塔矢が初めて会った碁会所ですよ!!早く!」
おい、久しぶりに合ったのに、何か怒ってんだ?
寧ろ、黙って消えたお前に、俺が怒るべきだと思うんだけど…。
「あ~~もう~早くしないと塔矢が消えてしまうのですよ!!」
はい…?
「おい、何言ってんだ?アキラが消えるって?バカなこと言うなよ。アキラはお前と違って人間だぞ。消えるなんてありえない」
今日1日、別に変わったとこなかったしな…。
「でも、消えるのです!アキラは20歳の誕生日に神の元へ帰るという約を神と交わしているのです。そして、塔矢に関わった人達から塔矢の記憶が消されてしまうのです」
なに?それ…。
冗談みたいな嘘みたいな話だけど、佐為があまりにも真剣に言うから、何か不安になってきた…。
でも、アキラは人間だし消えるなんてことはありえないし…。
何言ってんだよ。ホント…。
まあ、佐為のお蔭で、アキラの居場所も判ったし感謝するか。
しかし、アイツ、こんな時間に碁会所って、何考えてるんだよ。
オレは愚痴りたくなる気持ちを抑えてホテルを出た。
佐為の話が本当だとは思わずに…。